
精神科救急医療システム事業
精神科救急医療システム委員会
委員長林文明
埼玉県では平成15年11月1日から午後10時までの夜間救急体制がスタートしました。これまでの救急体制は、まず平成5年10月から平日昼間、措置入院を対象として4病院各1床の計4床の体制を、協会会員30指定病院の輪番制で開始され、次いで平成8年11月からは、これに加えて休日昼間2病院、各々措置及び救急用各1床の計4床体制で実施されてきました。
今回救急体制の夜間への拡張を機に、県立精神保健福祉センターに「埼玉県精神科救急情報センター」を設置して、相談受付と必要に応じての病院紹介・受診指導、警察官通報受付と措置入院業務を行い、診察・入院体制については、昼間はこれまでどおりで、午後10時まで(病院到着は午後9時)の夜間については「全協会病院の参加を原則」の方針とし、32病院(現在32病院 指定28非指定4)の輪番制、毎晩各病院1床の体制で開始しました。
また、診療所協会が月〜金の平日夜間1診療所で外来救急に参加、県立精神医療センターは午後10時以降の対応、時間内に輪番病院が満床になった場合及び治療困難患者への専門病院として、さらに埼玉医科大等には身体合併症患者の協力病院として対応してもらうこととなっています。
尚、救急体制の適切な運営を実現していくために、「埼玉県精神科救急医療システム連絡調整委員会」、「精神科救急医療システム運営会議」が設置されています。
以上が新たな救急体制の概略ですが、埼玉県の特徴は民間病院が措置入院から外来救急までを輪番制で行っていることだと思われます。
- 精神科医療機関の役割
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1.埼精協
- 新たに、平日および休日の夜間診療・入院体制を「全会員病院の輪番参加を原則として」構築する
- 平日、休日の昼間については、これまでの緊急・救急体制を継続する。
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「夜間救急体制」
- ・時間帯: 午後5時〜午後10時まで(病院到着は午後9時頃まで)
- ・輪番病院数: 県内2病院(指定病院x2または指定1+非指定1)
- ・指定医待機: 1名(オンコール可)
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・空床確保:
各病院1床(措置/救急1床または救急1床)
救急情報センター経由の他、地域責任制による入院も対象 - ・ 昼間の輪番病院が時間延長する形と、別の病院が夜間をつなぐ形の並存。
2.埼精診
月曜〜金曜の平日夜間に県内1診療所で救急診療を行う。
3.県立精神医療センター
- 夜間救急時間帯以降(午後10時〜翌午前9時)の対応
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救急時間帯(午後5時〜午後10時)
- ・ 輪番病院の確保空床2床が満床となった場合
- ・ 治療困難患者(救急情報センターのトリアージュが重要)
4.埼玉医科大学
- ・ 身体合併症患者(救急情報センターのトリアージュが重要)